脳の病気,頭痛,片頭痛,めまい,しびれ,ふるえ,脳卒中,脳梗塞,くも膜下出血,認知症,アルツハイマー病,などについて 大阪市住吉区 脳神経外科 医療法人山裕会 山本クリニック

めまい、ふらつき

  1. 「めまい」や「ふらつき」を訴える方が増えている 
  2. どこに病気が起こったら「めまい」が起こるのか?
  3. めまいと言えばメニエール病か? 
  4. めまいと言えば良性発作性頭位めまい症か?
  5. その他の耳からのめまい 
  6. 脳は大丈夫か?  −危ないめまいに注意−
  7. めまいが起こると血圧が上がる
  8. 脳梗塞でも「めまい」だけの症状の場合がある
  9. 脳梗塞や、脳の血液の流れが悪くなったりして起こるめまいは、朝、目が覚めた時に起こることが多い
  10. 高齢者のめまいは要注意 脳梗塞の場合がある
  11. 耳からのめまい、脳卒中と関連か?
  12. 高血圧でめまいは起こるか?
  13. 血圧が下がり過ぎて起こるめまい
  14. 脳貧血とは?
  15. 失神とは?
  16. 頭を動かした際に起こるめまい(良性発作性頭位めまい以外)
  17. 頸性めまい −首からくるめまい− 
  18. 緊張型頭痛の約6割にめまい症状 
  19. 高齢者のふらつき
  20. 後頚部痛、続いて急なめまいが起こったらワーレンベルグ症候群かも?
  21. 動脈硬化を起こした動脈が前庭神経にぶつかることで「めまい」が起こることもある
  22. めまいの治療に用いられるお薬

患者さんへのパンフレットから

  1. 頭がふらふらします 
  2. 首からくるめまい
  3. うつ状態のせいで起こるめまい
  4. 急いで医者へ行くめまい
  5. 心配なめまい
  6. めまいの話
  7. 頸性めまい −首からくるめまい−
  8. 急にフーとなった時、頭がフラフラした時

動脈硬化を起こした動脈が前庭神経にぶつかることで「めまい」が起こることもある(神経血管圧迫症候群)

耳からは、前庭から起こる前庭神経、が前庭覚(平衡覚)を、蝸牛から起こる蝸牛神経が脳に聴覚を伝えています。これらの神経を内耳神経(第[脳神経聴神経、前庭蝸牛神経)と言います。
頭の中で、この神経の傍(そば)を血管が走っていますが、この血管が動脈硬化などで蛇行・屈曲、拡張することがあります。すると神経にあたって、それを圧迫するようになり、そのせいで神経・血管圧迫症候群が起こります。

神経が圧迫されるようになると、数十秒から数分程度の短い回転性めまいが、頭の位置とは無関係に立て続けに起こるようになります。

神経が血管が圧迫することにより、めまい、難聴、耳鳴が生じることもあります。この場合、メニエール病や突発性難聴と紛らわしい場合もありますが、めまいの持続時間が短い、頭位によりめまい・耳鳴が増強する。同じ側の顔面痙攣を伴っていることがある。などが神経血管圧迫症候群を疑う上での参考になります。

なお他の神経血管圧迫症候群としては、第7番目の神経の圧迫による顔面けいれん、第5番目の神経の圧迫による三叉神経痛、第9番目の神経の圧迫による舌咽神経痛、第 11 番目の神経の圧迫による痙性斜頸、などがあります。

めまいの治療に用いられる薬剤

古くから抗めまい剤として数多くの薬剤が発売されてきましたが、今日効果があるとして残っている薬剤のほとんどに血流改善効果(循環改善)があり、そして実際に有効な場合が多いのです。これらの事実から、めまいの成因を考える上で、内耳の血流を改善することが、めまいの改善につながっている可能性が示唆されます。

内耳に血液を供給している動脈は、脳 (小脳、脳幹) に血液を運ぶ椎骨動脈、そして脳底動脈から枝分かれしたものです。二重盲検法で有効性が証明されているめまいの薬剤にはメリスロン、セファドールがあります。実際、めまいの治療に、以上の2剤が最もよく使われているのですが。いずれも椎骨動脈や内耳動脈の血流を改善させる効果を併せもつ薬剤なのです。

高齢者のめまいの治療におけるいくつかのEBM:エビデンス(二木 隆:二木耳鼻咽喉科医院、めまいクリニック「めまい診療のコツと落とし穴」(中山書店))の記載を紹介します。

セファドールの治験を引き受けた契機は、松永 亨(阪大)の椎骨動脈に対するドプラー法による見事なデーターであった。〜流れの劣る椎骨動脈側の血流を改善するという松永の実験結果は、臨床においても筆者らによって立証された。〜思いあぐねていたところ、雑誌「いずみ」の、神戸の脳外科医藤田稠清の論文が眼にとまった。要は、血小板機能亢進症の高齢者の{頭痛、めまい}が抗血小板薬を使うと、90%改善するというものであった(藤田稠清:神経内科、1999;50:69‐75)。

これにヒントを得て、26例の高齢者のめまい患者にopen traialながらエクバール(シロスタゾール)を投与し、〜有意な結果を得ることができた。注、抗血小板剤とは、脳梗塞の予防に使われる薬剤です。

メリスロン(ベタヒスチン)

メリスロンは内耳血管の血流増加・内リンパ水腫改善・内頸動脈の血流量増加の作用があり、めまいを改善する効果があります。前庭、蝸牛系への血流増加と中枢性の前庭系代償の促進、内側前庭神経核への作用があり、日本、欧州でプラセボ‐を対象とした試験が行われその有効性が示されました。内耳循環障害の改善〜中略〜また内頸動脈系の血流量を増加し、脳循環を改善することで、中枢性めまいにも有効とされる(神経疾患エッセンシャルドラッグ105:南江堂)

セファドール(ジフェニドール)

迷路機能のアンバランスの改善・椎骨脳底動脈の血流量増加の作用があり、めまいを改善します。内側前庭神経核への作用(ベタヒスチンより強い)、抗コリン作用。椎骨脳底動脈の循環改善作用:イヌの実験でアンギオテンシンUにより攣縮した椎骨動脈を寛解し血流を増加(神経疾患エッセンシャルドラッグ105:南江堂) ドグマチール(スルピリド)

一般に、うつ病の薬と認識されている薬剤ですが、もともと、フランスで1967年胃微小循環改善させる胃潰瘍治療剤として開発された経緯があります。

成書をひもとくと、当時、京大 二木先生のところに藤沢製薬から、この薬は、フランスでは抗めまい剤として一番の売れ筋なので、とのことにて、めまいに対する治験の依頼があったとの記載があります。その後、胃薬として売り出されました。

そもそも海外では「抗めまい剤」として使われているので、なんらかの中枢性の効めまい作用があるものと推測されます。なぜか添付文書の副作用欄に「めまいがでることがある」などとの記載書があるが、そんなことはありません。

イチョウ葉エキス

成書をひもとくと、東京医大 高橋教授によると、ずいぶん以前のことですが老人の頑固なふらつきに効くとのことにて、二木先生が試しに使用してみたところ、ふらつきの改善率は53%とかなりの効果がみられたとの記載があります。ドイツでは認知症改善薬として健康保険適応とのことですが、日本では、まだ健康保険は使えません。

メイロン(7%重曹)注射剤

赤血球凝集抑制、血液粘調度の低下、CO2による血管拡張作用により血流増加作用などにより内耳血流増加作用があり、よく使われています。さらに脳循環改善作用もあるとのことです。

メイロンは大阪大学耳鼻咽喉科の長谷川高敏教授が第二次世界大戦前の長崎医大教授の時に海軍からの要請で開発されたもので、元々「動揺病」に対する薬とのことです。戦後 「めまい」に非常に効くということで使われるようになりました。

エビデンスはありませんが、2003年の日本めまい平衡医学会で耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科、救急の先生方1,000人にアンケートをとったところ、」急性期のめまいで、あなたが最も効果があると思う薬剤は何ですか?」と言う問いに対して半数以上の方がメイロンと回答しています。

アデホス(ATP)

脳や内耳の血流量を増やし、エネルギー代謝を活発にする作用ががあり、メニエール病や内耳障害によるめまいに使用されます。副作用は、ほとんどありません。

セロクラール(石酸イフェンプロジル)

主に脳血流改善作用を期待して用いられる薬剤であり、なかでも、後頭蓋窩(椎骨脳底動脈)領域の血流改善作用が顕著であることが証明されています。そこで、いわゆる椎骨脳底動脈血行不全あるいは慢性脳循環不全時における脳血流改善作用を期待して用いられます。

また、併せて抗血小板作用を持つことが証明されており、抗血小板薬に劣らない脳梗塞の再発予防効果を有しています。健康保険上は「脳梗塞後遺症によるめまい」となっていますが、これは脳梗塞後の患者に起こる慢性脳循環不全症状、すなわちふらつき感を改善する薬剤という意味です。

ケタス(イブジラスト)

プロスタサイクリン作用増強により脳循環を改善させる作用があります。また抗血小板作用を併せ持つ薬剤です。慢性脳梗塞または脳梗塞の後遺症に対しては 最近、このケタスがQOLの評価指標SF-36を用いたスタデイ(QASIS試験)で、めまいに対して効果があったという結果(エビデンス)が出ました。

低血圧、起立性血圧調節障害が関与している場合に使用される薬剤

起立性低血圧が原因となってめまいが起こっている場合、自律神経を安定させて、血圧が下がり過ぎないようにするお薬が、また、血圧が低いせいで、脳の血液の流れがいっそう悪くなっている場合には、血圧を上げるお薬が使われます。

リズミック

自律神経を安定させ血圧が下がり過ぎないようにする薬です。ちょっと専門的になりますが、このお薬は、ノルアドレナリンと競合して末梢の神経終末に取り込まれ、ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを抑制するとともに、神経終末においてノルアドレナリンの不活性化を抑制し、交感神経機能を亢進させ、血圧を上昇させる作用があります。本態性低血圧、起立性低血圧、透析施行時の血圧低下の改善に使用されます。

メトリジン

選択的交感神経α1受容体直接刺激作用により心臓および脳血管系に作用することなく末梢血管を緊張・収縮させ、血圧上昇作用を示し、起立時の血圧低下を抑制します。中枢への影響はなく、また正常血圧には影響を及ぼしません。本態性低血圧、起立性低血圧の治療に用いられます。

その他、ドプス(パーキンソン病の起立性低血圧に用いられるお薬)、エホチール、フロリネフ(重症低血圧の場合の血圧を上げる薬)が使用されます。






■患者さんへのパンフレットから

頭がふらふらします

慢性のフラフラ感に悩んでおられるお年寄りの方はとても多く、40%近くの方が常時、めまい感を自覚しておられるという報告があります。あるいは65歳以上の人の30%がフラフラ感を訴えていた(米国での調査)とも言います。

頭がフラフラすると言う訴えの中には、めまい、立ちくらみ、歩く時のふらふら感、眼の前が暗くなる感じ、頭がフーとする、あるいは頭がボーとするような感じなどの症状が含まれます。

もともと、年齢とともに、視力が低下してきますし、下肢の筋力なども落ちてきます。さらに耳の奥にあって平衡感覚の維持に関係している前庭(ぜんてい)、あるいは平衡感覚の情報を伝える脊髄の機能なども弱くなり、年をとると体のバランスがどうしても悪くなってきます。そんなことで、ちょっとしたことでもフラツキやすいのです。

年配の方のめまい感には、複数の原因が関係していることもしばしばで、体のバランスが悪くなってきていることに加えて、脳の血液の流れが悪くなっている場合、首の筋肉の緊張異常、血圧の薬を飲んでいる方で血圧の下がりすぎた場合、うつ状態などが原因となっている場合などがあります。

脳からくる「めまい感、フラフラ感」
脳の血液の流れが悪くなると、ふらついたり、めまいが起こったりします。
年配の方のふらつき感の多くは、脳の動脈に動脈硬化が起こって、動脈が細くなってきたことによって、脳の血液の流れが悪くなって起こる場合が多く、こういった病態を慢性脳循環不全と言います。
脳の血液の流れが悪くなってくると、最初のころは、頭を動かしたり、急に立った時などにフーとするような症状が起こるようになってきます。

こういった方に、脳のCTやMRIなどの検査を行ってみますと小さな脳梗塞などの異常が見つかることが多く、そんなことからも、脳の動脈硬化による血液循環の悪化がふらつきの原因であろうと考えられています。

もともと脳には血液の流れを常に一定に保つための脳血流の自動調節能と呼ばれる安全装置が備わっています。その働きがありますので、少しぐらい血圧が上がったり、下がったりしても脳へ流れる血流の量が増えたり、減ったりしないようになっているのです。

お年寄りの脳では、この脳血流の自動調節能の力が低下していることが多く、わずかに血圧が下がっただけでも脳血流の減少をきたすことになり、そのせいでフラツキ感を生じます。さらに動脈硬化をきたして細くなった脳の動脈では、いっそう血液の流れが悪くなりやすいのです。
なお、血圧が高いのを心配される方は多いのですが、血圧の下がりすぎを心配する人は案外少ないようです。しかし、血圧の薬を飲んでいる方では、時々、血圧を測ってチエックしておきませんと、知らないうちに血圧が下りすぎている場合があります。血圧が下がりすぎた時、最初に出る症状はフラフラ感です。

首からくるめまい

実は、首の筋肉には、体のバランスを保つうえで大切な平衡感覚に関する情報を調べて、それを脳へ伝えるという機能が備わっています。「肩こり」、「首こり」のひどい方では、首の回りの筋肉の緊張が強くなっているせいで、異常な情報が脳に伝わることになります。そのため「めまい」や「フラフラ感」が起こることがあります。

首の筋肉は肩や頭とつながっていますから、首の筋肉が緊張しているということは、肩や頭の筋肉も緊張していることになります。肩の筋肉の緊張は「肩こり」、頭の筋肉の緊張は「頭痛」「頭が重い」という症状になって現れます。

このタイプの頭痛を緊張型頭痛と言い、あらゆる頭痛の90%を占め、頭がしめつけられるように痛むのが特徴です。この緊張型頭痛に伴うめまい感はとても多いようで、フラッとする、あるいはフラフラするようなめまい感が主に動いた時に起こります。

うつ状態のせいで起こるめまい

現代社会では、うつ状態の方が増えています。そのうち、精神面でのうつ症状はほとんど目立たないのに、身体症状が前面に現れる仮面うつ病に注意が必要です。めまいは、不眠、頭重感とならんで、仮面うつ病の三大症状です。その際に起こるめまいはフラフラ感が多いようです。

急いで医者へ行くめまい

中高年の方のめまいは脳梗塞が原因の場合がある。めまいが起こったら、安易にメニエール病だろうなどと考えない方が良い。

突然に起こった中高年の方のめまいでは、脳幹部や小脳へ血液を送る椎骨動脈や脳底動脈の血液の流れが悪くなって起こる場合が多く、時には脳幹部や小脳の脳梗塞の場合がある。この小脳梗塞の1/4の例では、脳が腫れたりして命にかかわることになるという。特に、朝起床時に起こっためまいに注意。

脳梗塞の場合、めまい以外に物が「二重に見えたり」、「ろれつ困難」、あるいは「顔面や手足のしびれや脱力」などの症状を伴うと言われるが、めまい以外にとりたてて症状がない場合も結構多い。

脳梗塞の場合、進行性卒中と言って、何日もかけて(長くて1週間ぐらい)、症状がダンダン悪くなってゆくことも多く、最初、症状が軽いからと言っても油断できない。

脳梗塞で有名なワーレンベルグ症候群は若い人に多く、椎骨動脈の解離性動脈瘤で起こることが多い。後頭部痛と同時にめまいが起こった時は、この病気を考える。なお、稀にくも膜下出血でめまいを訴えることがある。
脳幹部にあって、しばしば、めまいを起こす部位となる前庭神経核の真横には三叉神経核がある。三叉神経は顔面の感覚を司る神経なので、めまいと同時に口の周りがしびれたら注意が必要である。

CT検査では、同じくめまいがする小脳出血などはすぐに写るが、脳梗塞に関しては、起ってから12〜24時間ぐらいたたないと写らないことが多い。そこで、脳梗塞が疑わしい場合には、MRI検査の拡散強調像を撮影するとはっきりと分かる。

心配なめまい

私たちの脳は、自分の体の運動や姿勢の状態を、耳の中にある三半規管などからの信号、目からの視覚情報、手足、首などの筋肉や関節からの位置に関する情報などを元に逐一、正確に判断しています。
ところが、そのうちのどこかに不具合が起こり、そこから異常な誤った情報が脳に伝えられた場合、それは、ほかのところからくる情報と、うまく一致しません。このような運動や姿勢に関する情報のアンバランス(不一致)があると、脳は、一瞬、自分の体の運動や姿勢の状態が分からなくなってしまいます。この際に、「めまい」を自覚することになります。つまり、めまいとは自分の体の位置や運動を誤って感じた際に起こる症状なのです。                                
めまいには大きく分けて2つのタイプあります。ひとつは「回転性めまい」で、目の前や自分自身がぐるぐる回っているように感じるものです。もうひとつは「浮動性めまい」で、フラフラして真っ直ぐ歩けない、雲の上を歩いているような感じがするというものです。
めまいの原因には大きく分けて2つのタイプがあり、平衡感覚を司る三半規管や前庭の病気で起こる「耳が原因」のタイプと、体のバランスを制御する「脳が原因」のタイプとがあります。そのため、病気が耳にあるのか、脳にあるのかを十分に検査して調べる必要があります。
一般に「耳からのめまい」は回転性であることが多く、「脳からのめまい」は浮動性であることが多いのですが、脳の異常でも、急激に起こった場合、それに伴って起こるめまいは回転性であることもしばしばです。
結局、心配なめまいとは?もちろん脳が原因で起こるもので、めまいと同時に「手足に力が入らない」、「手足がしびれる」、「ろれつが回らない」、「頭痛がする」、「意識を失う」などの症状がある時は、恐い脳卒中からくるめまい、なかでも脳梗塞を疑う必要があります。                                                                     
 夏は汗をかいて、血液中の水分が不足し、血液がドロドロとした状態になりやすいのです。また、暑さのせいで、血管がひらいて血圧が低下しやすいことも加わって、いっそう、血液の流れが悪くなりやすいことから、夏は脳梗塞にかかる人が増える季節です。常に、「水分補給」に心がけて、脳梗塞を予防することが大切です。                                                       
ところで、脳梗塞を起こした方の、かなりの方が朝、起きた時に症状を自覚しています。めまいを起こす原因には、いくつもの病気がありますが、朝、目が覚めた時に、「めまい」が起こった時、あるいはフラツキが起こったような時は、そのなかでも脳梗塞を疑う必要があります。
脳の中の椎骨脳底動脈(ついこつのうていどうみゃく)という血管の領域で、血液の流れが悪くなるとめまいが起こります。この椎骨脳底動脈領域に脳梗塞が起こった時は、進行性卒中と言って、何日もかけて症状が悪くなってくることがあります。そこで、最初に起こった症状が軽いからと言って油断できません。                                                                      
椎骨脳底動脈で血液の流れが悪くなると、めまい以外に、急にフーとなって倒れそうになる、急に目の前が暗くなる、立ち上がって血圧が下がった時にフーとなる、頭を動かした時にクラクラしたり、フーとなったりすると言った症状が起こりやすいので、このような症状には注意が必要です。

めまいの話

めまいは、1、グルグル目が回る、2、フワフワふらつく、3、クラッとする(フーとなる)の3つのタイプに分けられます。

まず、自分自身がグルグル回る、あるいは周囲がグルグル回る、このタイプのめまいを「回転性めまい」と言います。この「回転性のめまい」は耳か脳のどちらかの病気で起こります。なお、耳が原因の場合、めまいだけでなく、音が聞えにくい(難聴)、耳がつまった感じ(耳閉感)がする、耳鳴りがするなどの聴覚系の症状を伴うことがしばしばです。

次に、体がフワフワした感じでふらつく、まっすぐに歩けないなどの場合、これを「浮動性めまい」と言います。この「浮動性めまい」の多くは、脳が原因で起こります。最後に、立ちくらみのようなめまい、急にフーッとなる、クラッとする、このタイプは脳貧血、すなわち一瞬、脳に血液が届かなくなるために起こります。

同時に目の前が暗くなったり、失神と言って意識を失って倒れることもあります。その原因としては急激な血圧低下、心臓の不整脈、動脈硬化で脳への動脈が狭くなっている場合などが考えられます。

一般には、あまり知られていないようですが、「脳が原因で起こるめまい」が、結構多く、そのほとんどが脳卒中、特に脳梗塞あるいは脳梗塞の前触れによるものです。この「脳が原因で起こるめまい」は、命にかかわったり、そうでなくても放置していると後遺症を残したりする場合が多いので注意が必要です。

すなわち、めまいが起こった時は、後で手遅れにならないよう「脳が原因で起こっためまい」ではないかと疑ってみることが大切です。

耳が原因で起こるめまいのうち、最も有名な病気がメニエール病です。それほど多い病気ではないのですが、名前があまりに有名になってしまったせいで、めまいを起こした方のほとんど、なんでもかんでもメニエール病と診断してしまうお医者さんもおられます。

実際のメニエール病は、30歳台後半から40歳台前半の女性に多い、めまいの発作を繰り返す病気です。発作は一度切りということはありません。必ず何度も起こします。そして、どんな発作かと言いますと、回転性のめまいが突然に起こり、これが、たいていの場合、数時間続きます。また、ここが大事なのですが、メニエール病では、めまいと一緒に難聴や耳の塞がった感じ、あるいは耳鳴りなどの耳の症状が現れます。これらの耳の症状はめまいの軽快とともに元に戻ります。逆に、耳鳴りも難聴もなければ、そもそもメニエール病と診断できないのです。

次に有名な「耳が原因で起こるめまい」が良性発作性頭位めまい症です。一時期、やはり、なんでもかんでも、この良性発作性頭位めまい症と診断してしまうお医者さんが多かったようです。

このめまいは、ある特定の位置に頭を動かすことで(めまい頭位)めまいが起こります。しばしば寝床に入る際、すなわち頭を後ろに下げた時に、グルグル回る、回転性のめまいが起こりますが、頭を元に戻すと、めまいはすぐに止まります。なお、頭を動かさない限りめまいは絶対に起こりません。また、回転性のめまい以外に、体のふらつきを自覚したりすることもありません。

さて、あなたのめまい、脳は大丈夫ですか?

頸性めまい −首からくるめまいー

めまいの原因のほとんどは「耳の病気」や「脳の病気」によるものです。一方、多くはありませんが首が原因でめまいが起こることもあります。

1)「首の筋肉のこり」によるめまい

首の筋肉がこって、首の筋肉の緊張が強くなった時、めまいが起こることがあります。首の筋肉の緊張によるめまいは回転性ではなく、多くはフラフラ感、すなわち浮動性めまいです。首の筋肉は肩や頭とつながっていますから、首の筋緊張は肩や頭の筋肉も緊張していることを意味します。肩の筋肉の緊張は「肩こり」、頭の筋肉の緊張は「頭痛」「頭が重い」という症状になって現れます。 ですから、首の筋緊張異常によるフラフラ感の人は「頭が重い」という症状を伴うこともしばしばです。

2)頭を回転させた際、すなわち首をねじった時に起こるめまい

頭の回転により、頸椎に出来た骨棘(骨の飛び出し)が脳へ行く動脈を圧迫するため、脳のめまいの中枢へ行く血流が悪くなると、めまいが起こることがあります。

3)交感神経性のめまい

頭を回転させたり、首をねじった際に、首の骨の中を走り、脳へ行く椎骨動脈の表面を囲む交感神経線維(自律神経のひとつ)に影響が及ぶと,めまいが起こることがあります。これをバレーライオー症候群と言います。2)、3)の場合はフラフラ感だけでなく、回転性のめまいがおこることもあります。

急にフーとなった時、頭がフラフラした時

「急にフーとなった」。「フラフラとする」。「頭がクラクラとした」と言うような症状は、脳の血液の流れが悪くなって起こることが多く、すぐに直ったからと言って安心は出来ません。なぜなら、このような症状は、脳の酸欠(酸素欠乏、酸素の足りない状態)から起こることが多く、年配の方に起こった場合、「脳梗塞の前ぶれ」かもしれないからです。特に暑い夏に起こった時には、要注意。汗をたくさんかくせいで、体内が脱水状態となりやすく、血液がドロドロとなって、脳の血液の流れが悪くなったせいで起こることが多いからです。

夏は脳梗塞の多発する季節。のどが渇いたと感じた時、血管内は、すでに水分が足りない状態になっています。そこで普段から、水分補給を怠ってはいけません。 年配の方は、炎天下に出ないようにして、歩いたりする運動は、朝の涼しいうちに行います。暑い時期の水分補給は、お茶やミネラルウオーターがよいでしょう。          

なお、一般に夜間に血圧が下がりやすいせいで、脳の血液の流れが悪くなった時の症状は、朝起きた時に気づくことが多いのです。目が覚めた時からフラフラすると言う症状があれば、特に要注意です。

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