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手がふるえます

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  1. 本態性振戦
  2. パーキンソン病
  3. 書痙

1.本態性振戦(ほんたいせいしんせん)

食事の際に手がふるえ、うまく出来なくて困っています 60歳、男性、2、3ケ月前から水を飲もうとコップを口に持って行くと手がふるえて水をこぼしたりするようになり困っています。なんとかならないでしょうか。

振戦(しんせん)とは、手や足、その他、頭、あるいは体の一部が自分の意志とは関係なく勝手にふるえる病気のことを言います。振戦は、一般に精神的に緊張しますと強くなります。また睡眠中には消えていることが多いようです。

振戦にはいくつかの原因があります。

  1. パーキンソン病でみられる振戦は、安静時振戦、すなわち手足を動かさず、じっとしてる時にみられるふるえが特徴です。典型的にはふたつの手指で丸薬を丸める運動に似たふるえが起こります。この場合、抗コリン剤あるいはLードーパなどのパーキンソン病の薬が使用されます。
  2. 本態性振戦とは原因不明の振戦で年配の方に多く、主に手に起こります。肘を曲げて手を胸の前にもっていった時に起こるふるえが特徴的です。こう言った振戦を姿勢性振戦と言います。顔を洗う時や食事の時、あるいは字を書く時には、手を胸や顔の前に持って行くことになりますので、そう言った動作の際に手がひどくふるえます。コップで水が飲む時にこぼしてしまったりするため、日常生活を送る上でお困りになる方が多いようです。

本態性振戦にはβ(ベーター)ブロッカーと言う飲み薬が効果があると言われ、その中でもアルマールというお薬がよく使われます。

なお、この振戦はアルコールの摂取によって静まると言う特徴があります。そこで自分でそれに気付いておられる方もあります。かと言ってお酒ばかり飲んでいると体に悪いので、お酒ではなく飲み薬で治すようにしましょう。

小脳の病気で見られる振戦は運動時振戦と言って手足を動かしている時にみられるふるえです。別名、企図振戦とも言います。 その他、甲状腺機能亢進症などの甲状腺の病気でも手指の細かなふるえが起こることがあります。

2.パーキンソン病

最近、何もしていない時に手がふるえ、歩幅が小さくなって歩きにくいんですが
65歳、男性。最近、歩幅が小さくなって歩きにくい。また、歩き始めの足が出にくく、一旦、歩きだすと止らなくなって前にこけてしまうことがよくあります。
隣の奥さん(60歳)、以前は活発な人であったが、最近、合って話をしても顔に表情がなく、なんとなく元気がない。また、よく見ると手の指がふるえている。

頭の中にある大脳のうち、中脳と言うところにある黒質(こくしつ)と言うところで、神経伝達物質であるドーパミンの量が減ったために起こる病気がパーキンソン病です。この病気では、普通、CTスキャン検査には異常がみられません。有名人では、ボクシングのモハメド、アリ選手や中国の毛沢東さんがかかられた病気として有名です。

パーキンソン病であらわれる主な症状を医学用語で言いますと、振戦固縮無動(運動緩慢)姿勢不安定の4つになります。

まず振戦とは手指や手指以外にも腕、足、アゴ、頭部などに安静時(何もしていない時)にみられるふるえのことです。このふるえは精神の緊張により強くなり、睡眠中には出ません。典型的には、手指の親指と他の指の間で丸薬を丸めるような運動に似たふるえから始ることが多いようです(英語ではこれをピルローリングトレモールと言います)。

固縮とは筋肉が固くなってくるため、他の人が患者さんの手足の関節を曲げたり伸ばしたりする時に抵抗がみられることを言います(この抵抗は鉛管を曲げる時のグニャっとした感じに似ているので鉛管現象とも、あるいはガクガクとした抵抗があることもあり、この場合を歯車現象と言います)。

無動とは、動きがにぶくなるため、すべての動作が緩慢となることを言います。すなわち動きだすまでに時間がかかりますし、またすべての動作がゆっくりとなります。さらに、次の動作への切り換えにも時間がかかるようになり、また、それぞれの動作の大きさが小さくなったりします。例えば、字を書く時でも字が以前より小さくなったりすることもあります。

姿勢保持障害とは、体の安定を保つのが困難になり、ころびやすくなることを言います。またパーキンソン病では歩きだすと歩幅が小さく、小走りとなってなかなか止れなくなり、ころんでしまうと言ったこともよく起こります。

つまりパーキンソン病で一般にみられる症状としては、今まで出来ていた動作がのろくてぎこちなくなった。活発に歩いたり曲ったり出来ない。顔の表情が乏しくなった。声が単調で弱々しくなった。歩いている時は前かがみで身をかがめたような姿勢で、歩幅は小さくて足はひきずられ、そして腕の振りが小さい。また特に第一歩がなかなかに踏出せない。歩き始めたらだんだん早くなり止れなくなってひっくり返るようになった(これを前方突進現象と言います)。などがあります。

つまりパーキンソン病で一般にみられる

その他、自律神経の症状としての便秘、唾液分泌亢進、燕下障害、起立性低血圧(急に立った時にフーとなる症状のこと)などがしばしばみられます。

パーキンソン病の患者さんは人口10万人あたり約50〜80人と言われます。そこで日本では10万人ぐらいのパーキンソン病の方がおられると考えられています。

パーキンソン病に対する根本的な治療法は現在のところありません。しかし、その症状は飲み薬によって軽くすることが出来ます。治療にはLードーパと言う薬が最も効果があります。ところで、パーキンソン病の方の脳で不足しているドーパミンは、そのまま飲んでも脳に入っていかないのです。そこで、脳に入ってからドーパミンに変わるL−ドーパというお薬を使われます。それによって脳で不足するドーパミンが補われ、症状がよくなります。このL―ドーパ製剤にはマドパー、ネオドパストン、メネシット、イーシードパールなどがあります。

もう一つこれを補助するような形で使われるドーパミンアゴニスト(ドーパミン受容体刺激薬)というお薬があり、これは脳の中の、ドーパミンを受け取る場所に、ドーパミンの代わりにくっついて、ドーパミンの働きを補う作用があります。このドーパミンアゴニストには、パーロデル、ペルマックス、ドミン、カバサールというお薬があります。それ以外に、補助的に使われる薬として、FP(エフピー)錠、シンメトレル、ドプスなどがあります。また、手のふるえをよくするのには抗コリン薬(アーテン)というお薬が使われます。

パーキンソン病は経過の長い病気です。つまり、パーキンソン病の薬はこれから長い年月にわたって飲んでゆく必要があるのですが、長い年月の間には薬の効果が減ってくることもあります。例えばLドーパーは、よく効く薬なのですが、長期間飲んでいると効果が弱くなったり、症状がうまく調節できなくなるという欠点があります。そして、そのような場合には、薬を減らしたり、あるいは他の薬に切り替えたりする必要が出てくることがあります。そこで始めのうちは、薬を少なめにあるいは控え目に使用する方が良いと考えられています。

結局、全部良くしようとしないで、大体、症状の8割ぐらいの改善状態でゆくのが良いと言われています。そのような理由から、その時点での病気の程度によっては、Lードーパは後で使うように残して置いて、まず補助的な薬から始めることもあります。あるいは、とりあえず日常生活に不便がないような場合ですと、薬を飲まないで様子をみることもあります。なお薬を飲まないからと言って病気が早く進行することはありませんから、心配はいりません。

3.書痙(しょけい)

字を書こうとすると手が固くなって書けません

書痙とは上肢の筋肉に起こったジストニアの一種で、書くという行為の間、手や腕の筋肉が異常に収縮し動かすことができなくなります。なお、ペンや鉛筆が手から離れると、手や腕はリラックスすることが多く、その原因はやはり大脳基底核の異常によると考えられています・ 30〜50歳代での発病が多く、治療には、抗コリン剤である塩酸トリフェキシフェニジル(アーテン)や抗てんかん剤であるクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)などが用いられます。

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