脳の病気,頭痛,片頭痛,めまい,しびれ,ふるえ,脳卒中,脳梗塞,くも膜下出血,認知症,アルツハイマー病,などについて 大阪市住吉区 脳神経外科 医療法人山裕会 山本クリニック

ボケたみたい(認知症)

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  1. 認知症とは?
  2. 脳血管性痴呆
  3. アルツハイマー病
  4. 認知症の初期症状とは?
  5. 認知症になると、どんな症状が出るのか
  6. 本態性痴呆
  7. アルツハイマー病の予防

1.認知症とは?

誰しも「健康で長生きしたい」、年をとっても「ボケたくない」と願っておられることでしょう。ところで、これまで使用されてきた「痴呆症」や「ボケ」と言う名前は差別的な言葉であることから、2004年に、厚生省により「認知症(にんちしょう)」と言う名前に変更することになりました。以下の文章の中では、できるだけ認知症という用語を使用していますが、まだ、痴呆症やボケのほうが理解して頂きやすい場合もあり、やむをえず、それを使用している箇所もあります。

年をとれば誰でもボケると思っている人が多いようですが、これは正しくありません。実際、高齢になってもボケない人の方が多いのです。あるデータによりますと、例えば85歳以上の方のうち認知症は26.8%の者に認められますが、それでもどちらかと言えば正常な者(73.2%)の方が多いのです。すなわち認知症は単に年をとったから起こると言った性格のものではありません。つまり認知症はまさしく病気なのであって、その病気の結果、多くの脳細胞が失われて回復不能の認知症を生じるのです。なお、この認知症をきたす原因には、いくつかの病気があります。

認知症をきたす2大原因がアルツハイマー病と脳血管性痴呆のふたつで、 両者で全体の90%を占める

2.脳血管性痴呆

脳血管性痴呆とは脳卒中、なかでも脳梗塞がいくつも起こって生じる認知症のことを言います。そこで、食生活を含めた生活習慣の改善によって予防もしくは悪化を防ぐことができます。そんなこともあって、 現在、次第に減ってきています。

3.アルツハイマー病

高齢者が増えるほど認知症にかかる者の数は増加する

認知症の原因のうち、最近、急速に増加しているのがアルツハイマー病です。これからの日本は高齢化社会を迎えますが、この病気は年配の方に多い病気です。そこで今後、このアルツハイマー病にかかる方は、急速に増加してくるものと予想されています。少し前までは、認知症患者さんの数は日本全国で約100万人と言われていました。これが2030年には300万人に達すると予測されています。ところで一人の認知症患者さんには、平均3人の係累(家族などの関係者)がいると言われています。認知症患者さんには介護が必要になることが多く、そうなりますと、本人と合わせて1200万人もの方に、その影響がおよぶことにもなる、大変な事態を招くことになる可能性があるのです。

アルツハイマ−病とは進行性の認知症を主な症状とし、大脳の広い範囲に萎縮が見られる原因不明の病気である

アルツハイマ−病では大脳が全体に萎縮してきますが、最初は大脳のうちの海馬(かいば)や側頭葉(そくとうよう)と言う部分に萎縮の変化が起こってくるのが普通です。この海馬の神経細胞が破壊されてきますと、まず新しい事柄を記憶する能力が失われ、その後、病変が側頭葉に及ぶにつれ、これまで蓄積された古い記憶も次々と失われて行くことになります。すなわちアルツハイマー病における物忘れの特徴としては、病気の始めの頃には近い過去の記憶が主に障害されやすく、病気の進行とともに最近のことばかりではなく遠い過去(昔)の記憶も次第に損われ、最後には身近な人を見ても、あるいは自分が誰かも分からなくなると言うようなことになるのです。

ボケ症状が見られたならば医師のもとを訪れ、直る可能性のある病気であるのかどうかを早いうちに診断してもらうことが大切である

認知症は予防出来ない、治らないと考えている人が多いようですが、これを一般化するのは正しくありません。確かにアルツハイマ−病には現在のところ根本的な治療法はありません。しかし認知症にはその他、様々な原因があって、治療もしくは予防出来るものも少なくないのです。

手術で治る痴呆として代表的なものが慢性硬膜下血腫と言う病気

慢性硬膜下血腫の原因の多くは、頭を打った後、しばらくして頭の中に出血が起こることによります。しかし、このタイプの出血は、鴨居(かもい)で頭をコッンと打ったなどの軽い打ち方で起ることもあり、また、普通、頭を打った後、何ヶ月もたってから起こることが多いので、頭を打ったこと自体を忘れてしまっている方も多いようです。いずれにしても頭を打ってから、だいたい数週間あるいは数ケ月してから頭痛、精神症状、物忘れなどの症状で発病してくることが多いのです。この病気は、それと気付かれないで、治療されないままでいますと結局、死にいたることになってしまいます、しかし、手遅れにならないうちに見つかりさえすれば、簡単な手術で完全に治ってしまう病気なのです。そこでアルツハイマ−病などの認知症と間違えないことが大切です。

このように認知症の原因には、いくつかのものがあって、なかには簡単な治療で良くなるようなものもあります。そこで、認知症は治らないと一概にあきらめてしまわずに、おかしいと思ったら早めに医療機関を受診し、まず、その原因を確かめてもらった方が良いでしょう。

また、アルツハイマー病を含め、認知症は、最近、食生活や生活習慣の改善により、ある程度、予防できたり、その進行を遅らせたり出来る可能性があることが分かってきました。そこで、認知症の初期の症状を早目に発見し、早期に治療を行なうことがポイントです。そして、なんと言っても大切なことは普段から予防しておくことです。

4.認知症の初期症状とは?

認知症の初期症状を発見し、早期に治療を始めることがポイント

アルツハイマー病の原因は、まだはっきりとは分かっていません。しかし、近年の医学の進歩から、早期に発見し、早期に治療を行えば、症状の改善や生活の質の改善が図れることが分かってきました。そこで、これを早期に発見するためには、認知症にかかった場合に、最初のころ、どんな症状があらわれるのかについて、あらかじめ知っておくことが大切なのです。

認知症の主な症状は、なんと言っても「もの忘れ」です。認知症の早期には、「物を置いた場所」や「自分が言ったこと」をすぐに忘れたりするようになります。ところで、年をとると脳の働きが低下し、誰でも多少は「もの忘れ」をするようになります。この老化現象のひとつとしての「もの忘れ」の場合、「最近、物忘れが多いな」などと自分で忘れたことを自覚しているのが普通です。

一方、認知症では自分が「物忘れ」をしていることを自覚出来ないと言う特徴があります。そこで、ひどい物忘れをしているのに、「自分は物忘れなどしていない」と言い張ったりします。また、サイフや通帳などを置き忘れた際も、老化現象による場合では、自分がどこかに置いたこと自体は覚えているのが普通です。そこで、忘れたとしても、記憶の一部、例えば「どこに置いたのか」を忘れたりする程度で、「自分が置き忘れをしたこと」、自体を自覚しているのが普通です。

ところが認知症の場合は、「自分で置いた」と言う行為自体を含めて、記憶の全部を忘れてしまうと言う特徴があります。そこで「置き忘れなどしていない」とか、「誰かに盗られた」とかという被害妄想のような話になったりするのです。

認知症の初期では、次のような症状があらわれることが多いので、おかしいなと思われた場合には、早目に医療機関を受診することです。

認知症を早期に発見するためには、まず、その初期に現れやすい症状とはどのようなものかについて知る必要がある

家族の方が気づいた変化のうち多いものとは

  1. ものの名前が出てこなくなった。
  2. 同じことを何度も言ったり、聞いたりする。
  3. 置き忘れや、しまい忘れが目立つ。
  4. 時間や日付が不確かになった。
  5. サイフを盗まれたと言って騒ぐ。
  6. 以前はあった興味や関心が失われた。
  7. テレビドラマの内容が理解出来なくなった。
  8. 性格が変わり、以前と違って「だらしなくなった」、「身だしなみに気をつかわなくなり、おしゃれをしなくなった」、「頑固になった」、「ささいなことで怒りっぽくなった」、「疑い深くなった」。
  9. 計算の間違いが多くなった。
  10. 病院からもらった薬の管理ができない。
  11. 水道の蛇口やガス栓の締め忘れ。
  12. 今まで出来ていたことが出来なくなった、片付けが出来なくなった。

認知症の初期には、性格が変わり、以前と違って「頑固になったり」、「怒りっぽくなったり」、あるいは「疑い深くなったり」することが多いようです。また「今まで出来ていたことが出来なくなった」、「急にだらしなくなった」、「身だしなみに気をつかわなくなり、おしゃれをしなくなった」、「片付けが出来なくなった」と言うことで気付かれることも多いようです。

どうもおかしいと言うことになれば、病院へ行かれることになりますが、まず、認知症かどうかを判定する検査として、最初によく行なわれるのが改訂長谷川式簡易知能評価スケールです。これは30点満点の検査で、この検査で20点以下しか取れなかった人の8割は痴呆症であることが分かっています。判定の基準としては、20点以下は痴呆、21点以上は非痴呆とされるが、21点以上でも、24点以下の場合には痴呆の可能性が否定できません。

5.認知症にかかると、どんな症状がでるのか?

アルツハイマーで最初に現れる症状は、記憶障害、つまり物忘れ

最初に最も多い症状は、「同じことを何度も言ったり、聞いたりする」、「物の名前が出てこなくなる」、「置き忘れやしまい忘れが目立つ」と言った症状です。

アルツハイマー病の初期では「今言ったこともすぐに忘れてしまう」、「会ったばかりの人のことを覚えていない」と言った、主に「近い記憶の障害」が起こります。これはアルツハイマー病で最初に障害が起こってくるのが大脳のうちでも、側頭葉というところにある海馬(かいば)と言う部分であるからです。この海馬は記憶を脳に取り込む際に働く場所で、覚えた記憶はしばらくの間、この海馬に保存された後、大脳皮質の連合野と言うところに運ばれてしっかりと保存されることになります。ところが、アルツハイマー病にかかり、この海馬に障害が起こりますと、新しい出来事を脳に取り込むことが出来なくなってしまう、要するに、せっかく入ってきた記憶を、脳にしまい込むことが出来なくなって、結局、記憶が脳に残らなくなってしまうのです。そのせいで、人や物の名前、会話の内容や行動を覚えられなくなって、覚えたこともすぐに忘れてしまうようになり、そのせいで、すぐ前のことを思い出せなくなってしまいます。

しかし、過去の記憶、すなわち、これまで、すでに脳に記録保管、すなわち、しまわれてしまっている記憶は取り出すことは出来るので、昔のことは思い出すことが出来ます。そこで、子供の頃や若い頃のことはよく覚えていることから、昔の話ばかりをするようになったりするのです。

このように初期には近い過去の記憶が障害されていますが、病気の進行とともに次第に遠い過去の、すなわち今までに蓄積された記憶も失ってゆくことになってきます。

アルツハイマー病では、場所や日付けの見当識が障害される。

アルツハイマ−病では、物忘ればかりでなく、途中から見当識(けんとうしき)障害が出現します。そして、まず最初に、時間関係の認識が障害されてくるのが普通です。

時間関係の見当識が障害されますと、今が「何年、何月、何日か」、「昼か夜か」、「午前か午後か」、「何曜日か」などが分からなくなってきます。それで、夜と昼とを間違えて、夜間に起き出して、ウロウロしたりすることもあります(夜間徘徊)。

次いで、場所すなわち地理的見当識が障害されてきますが、そうなりますと、自分がどこにいるのか分からなくなって、「住所が分からない」、「外出すると帰り道が分からなくなって迷う」、「家の中で部屋やトイレの場所が分からない」、「病院と自宅、自宅と他人の家の混同」などの症状が起こってくるようになります。

アルツハイマー病では病識がない

アルツハイマー病では、自分が病気であることを自覚できないと言う特徴がみられます。具体的には、病気のせいで、自分が「物忘れ」をしている、あるいは「置き忘れ」や「しまい忘れ」をしているということを自覚が出来ないことが多いのです。例えば、ひどい物忘れをしているのに、「自分は物忘れをしていない」と言い張ったり、自分で物を置き忘れたのに、置いたことを忘れて「誰かが隠した」、「誰かに盗まれた」などと騒ぐなどの被害妄想(ひがいもうそう)がしばしば見られます。

6.本態性痴呆

頭を使わない生活を続けているとボケてくる

脳もこれを使わない生活を続けていると容易に衰える。例えば、他人との交際がなく、生き甲斐も趣味もないようなボンヤリとした生活を送っているとボケが起こってくることになる。

普段から体と頭を鍛えて、ボケを予防することが大切。

浜松医療センターの金子医師は、老人性認知症の大部分は、アルツハイマー病や脳血管性痴呆ではなく、「老化現象」と、「脳を使わないために起こる廃用性萎縮」が原因であって、このようにして起こった認知症なら、早期に「脳を活性化する訓練」を行なえば回復する可能性があると述べています。

そして、こう言ったものを本態性痴呆(別名、老化、廃用性痴呆)と呼んでいます。例えば、高齢の方が1ヶ月も寝込んでいると足腰の筋肉が衰えて歩けなくなってしまうようなことがあります。同時に筋肉もやせて萎縮してしまう。これが足腰の筋肉を使わないことによって起こる廃用性萎縮なのです。同じように、高齢の方が病院に入院した場合、1週間ほど寝込んでいるだけでボケてしまう人が結構おられます。したがって、このようなタイプの痴呆症があることは間違いがないようです。つまり脳も、これを使わないでいると廃用性萎縮を起こし、ボケてくるのです。すなわち脳は使わないでいるとダメになってしまうと考えられます。

同じく、老化、生活習慣の問題などにより脳への刺激が減ることによって、脳の機能が低下したことによって起こるボケ症状を「良性老人性物忘れ」とも呼んだりしますが、これも本態性痴呆と同じ概念であると考えられます。そして、このタイプは脳への刺激(音楽、ゲーム、スポーツ、日記をつけるなど)に良く反応し、機能が改善し、いわゆる脳へのリハビリの効果が著明に現れると言います。なお、左脳の衰えは、まだ、衰えない右脳の機能を働かすことでも回復できるとも言います。また、脳全体が衰えかけていても、まず、体を動かすことから始め、少しずつ脳の機能を高めることができると述べています。

7.アルツハイマー病の予防

一般に、ある病気を発病させやすくするような要因を危険因子と呼びます。その危険因子が何か分かれば、それをとり除くか、あるいはその悪い力を減らすようにすると、その病気を予防したり、もしくは病気の進行を遅らせることが出来るのです。

アルツハイマー病の危険因子として、ある研究では、

  1. 新聞購読、読書がまれ
  2. パートナーを要するレジャーが乏しい
  3. 散歩しない
  4. 意識を失うほどの頭部外傷
  5. 歯が半分以上ない

また、別の研究では、

  1. 意識喪失を伴う頭部外傷を負ったことがある
  2. 長く続けた趣味がない
  3. 40歳以降、散歩を含めあまり運動をしていない
  4. 休日に運動をせず、家で寝ていることが多い
  5. 総入れ歯、歯がない

つまり、「以前の頭部外傷(頭を打ったことがある)」、「歯がない」、「運動不足」、また「新聞を読んだり、読書したり、趣味に没頭する」ようなことをあまりせず、日ごろから頭を使っうようなことをしていない、普段から「レジャー、散歩」などで外に出かけていないような方は、ボケやすいと言うことが分かってきました。以下、さらに、これまでに明らかになっているアルツハイマー病の危険因子およびアルツハイマー病を予防、あるいは改善させる食物、薬剤などについて解説しましょう。

生まれつきアポリポ蛋白E4と言う遺伝子を持っている方は、アルツハイマー病にかかりやすい。

最近の研究によりますと、アルツハイマー病にかかった人の6割は、アポリポ蛋白Eと言うタンパク質を持っていて、これが痴呆を発病させやすくしているということが分かりました。そして、このアポリポ蛋白E4の遺伝子を持っている人は、それを持っていない人にくらべ、あきらかにアルツハイマー病にかかりやすいことが分かったのです。例えば、このE4の遺伝子を1個持っている人は、アルツハイマー病になる危険が持っていない人の2〜3倍となり、2個持っている人は、その危険が10〜30倍となり、さらに3個持っている人の場合では、その90%以上の方が80歳までにアルツハイマー病になることが分かりました。一方、現実には、この遺伝子を持っていなくてもボケる人はいるし、逆に、この遺伝子を持っているけれどもボケない人もいるのです。すなわち、アルツハイマー病になるにあたっては、それ以外にも、いくつかの複数の危険因子が関与していると言われており、あらかじめ、そのような危険因子に対する対策をたてておけば、遺伝的にアルツハイマー病にかかりやすい人でも、それにかからなくてすむ可能性があるし、一方、そのような遺伝子を持っていない人でも、普段から危険因子に対する対策を怠っていれば、アルツハイマー病にかかる可能性が出てくるのです。

例えば、アフリカ出身者は他の民族とくらべ、アルツハイマー病になりやすい遺伝子素因を持っていることが分かっています。このアフリカ出身者を対象として、アフリカに住む人のグループと米国へ移住した人のグループとを比較した研究では、米国に移住した者の方がアルツハイマー病に、さらに2.5倍もかかりやすくなっていることが分かりました。この事実から、アルツハイマー病の発病には遺伝素因だけではなく、食生活生活習慣などの環境因子が大きく関係していることが明らかになったのです。

女性はアルツハイマー病にかかりやすい。

女性は男性にくらべ1.5倍から2倍かかりやすいという特徴があります。これは、女性の方が長生きする者が多く、高齢の者が多いからではなく、たとえ同じ年齢であっても男性より女性の発生率の方があきらかに高いのです。この原因としては、閉経後の女性ホルモンの減少との関連などが考えられています。一方、エストロゲン補充療法をしているものでは、アルツハイマー病にかかるものが少ないと言う事実も判明しています。

頭を打つとアルツハイマー病にかかりやすくなる(頭部外傷)

若い頃にボクシングの選手であった者にアルツハイマー病が多く、これはボクサー脳症としてよく知られています。統計学的な研究から頭の外傷(特に意識を失うような頭部外傷)がアルツハイマー病の危険因子であることが分かっていて、病理学的研究でも、かってボクサーだった人の脳にアルツハイマー病の特徴と言われる老人斑が多いことが判明しているのです。そこでボケないためには頭を打たないように注意しなければならないと言えます。

歯が半分以上ないは、アルツハイマー病の危険因子のひとつ

歯が抜けてしまった人はアルツハイマー病にかかりやすいことが分かりました。なぜそうなのかはまだよく分かっていませんが、ひとつには、人がものを嚼むと、脳のいろいろな場所を流れる血液の量が増加すること。よく嚼んで食べると脳の神経活動が高まり脳が活性化され、ボケにくくなるのではないかと考えられています。つまり、噛むことによって歯根の神経が刺激されて、それが直接、脳を刺激するという効果が期待できるらしいのです。そこで、認知症の予防にはものをよく噛んで食べることが大切であると言えます。

アルミニウムはアルツハイマー病の原因ではないかと疑われている。

アルミニウムは地球で最も多い金属で、多少なりとも、どこの川の水にも含まれているのですが、アルミニウム濃度の濃い川の流域では、神経の病気が多いことが古くから指摘されていました。水中に溶けたアルミニウムは体内に吸収されやすい形となり、脳に達しやすく毒性も強いと言われています。そして飲料水のアルミニウム含量の多い地域にアルツハイマー病が多いと言う疫学的調査結果があり、アルミニウムと痴呆との関係が疑われているのですが、これには異論もあります。

一方、ネズミの実験では、アルミニウムが脳に貯まると痴呆になることが分かっています。あるいは、以前に慢性腎不全で透析を受けていた患者さんに痴呆が起こり問題になったことがありますが、これは透析脳症として知られているのです。その原因は透析液の中に含まれていたアルミニウムで、このアルミニウムが体に貯まるためであることが、後に分かりました。これがアルミニウムと痴呆症の関連が疑われるきっかけになったのです。最近では、透析に際してアルミニウムの排泄を促す薬が使用されるようになり、その心配はなくなりましたが、いずれにしてもアルミニウムが認知症を引き起こすことには疑う余地がありません。但し、アルミ鍋を用いての調理物、あるいはアルミ缶中の飲料水やビールなどに含まれるアルミニウムの濃度は認知症の症状を引き起こすほど濃い訳ではないことから、これらのアルミニウムが実際にアルツハイマー病の原因となっているのかどうかについては、否定的な意見もあります。

なお、アメリカの大学病院などで、アルツハイマー病の患者にアルミニウムを減らす薬を飲んでもらう研究も実際に行われています。

認知症にも動脈硬化が悪い

最近の研究では、1、動脈硬化が起こると脳への血流が減少し、脳虚血すなわち脳の酸素欠乏を生じて、脳のアルツハイマー病変化を促進する。2、循環器(心臓など)の機能低下はボケと関係がある。ということが分かってきました。

そこで、普段から、動脈硬化の促進因子である高血圧、高脂血症、糖尿病などに対する対策をたてておくことが、結局、ボケ予防にもつながるのです。

高コレステロール血症はアルツハイマー病の危険因子

高コレステロール血症の人にはアルツハイマー病が多いことが分かっています。例えば、フィンランド住民を対象とした21年間の追跡調査では、中年期に高血圧や高コレステロール血症があると、老年期にアルツハイマー病になりやすいことが分かったのです。なお、魚の摂取が発病の抑制因子となることも同時に判明しています。

コレステロール低下剤に認知症予防効果

血中のコレステロール値を下げ、心臓病や脳卒中を防ぐのに使われる薬が、アルツハイマー病の予防にも大きな効果を発揮するという説を、米国の研究者らが立証しつつあります。スタチン系コレステロール低下剤を服用することにより、アルツハイマー病にかかるリスクが7割近く低くなるとの報告もあるのです。 これまでにも、アルツハイマー病の原因物質とされるβアミロイド(ベータ・アミロイド)の沈着と血液中のコレステロール値との間に相関関係があることは指摘されてきました。そこで、抗コレステロール薬であるスタチン系薬剤を服用している人ではアルツハイマー病の発症頻度が下がることが期待され、このスタチン系コレステロール低下剤は副作用も少なく、安全な薬とされていることから、アルツハイマー病予防への応用に期待がかかっているのです。

炎症を抑える薬に痴呆予防効果

炎症というのは、体内で熱、腫れ、痛み、発赤(赤くなること)の4つの症状を特徴とする病態で、その中身は白血球が集まって外敵(細菌や毒素、場合によっては自分の体の細胞自体が敵になることもある)と戦っている状態を指していて、例えば肺炎とか関節炎とかがそれにあたります。アルツハイマー病の脳の中では、この炎症が起こり、そのため脳細胞が死滅してゆくのだろうと考えられているのです。また、現在では、アルツハイマー病の脳の中で炎症が起こっていることは間違いないと考えられています。

最初はアメリカで、次いでカナダで、リウマチを患い、そのため炎症を抑える薬(いわゆる鎮痛解熱剤)を飲んでいる方にアルツハイマー病が少ないことが報告されました。また、これらの非ステロイド系消炎鎮痛剤(イブプロフエン、アスピリン、インドメタシンなど)を2年以上毎日服用するとアルツハイマー病病の発病率が最大80%減少することも分かったのです(ドイツでの大規模臨床試験)。また、ジョンズホプキンス大学の調査では、2年以上、イブプロフエンを服用した人は、そうでない人にくらべ、アルツハイマー病に60%以上かかりにくいことも分りました。つまり、炎症を治す薬を長い間飲んでいる人はアルツハイマー病に罹りにくいと言う事実から、炎症を抑える薬がアルツハイマーの発病を予防する可能性があり、これはアルツハイマー病の原因であるβアミロイドが脳内で生成されるのを抑えるためであろうと考えられているのです。そして、アメリカなどで最近アルツハイマー病の抗炎症剤による治療が開始され、良い結果が得られつつあります。

ただし、これらの薬剤を長期に服用すると、副作用として胃潰瘍などの胃腸障害を引き起こす可能性があり、今後、この点が解決されなければならないようです。

アルツハイマー病をワクチンで予防することができる時代がくると期待されている(アルツハイマー病予防ワクチン)。

アルツハイマー病では、脳にβアミロイドが沈着し、脳機能を低下させ痴呆症を引き起こすのです。このアミロイドペプチドをワクチンとして用いた場合、動物実験ではβアミロイドの沈着が著明に減少することが分っています。そこで、まず、注射するタイプのワクチンが開発され、既に欧米で臨床試験が行われていたのですが、使用した患者の4%が副作用のため脳炎になる問題が生じたことから、この試験は途中で中止された経緯があります。

先に行なわれた日本老年学会で、国立長寿医療研究センターの研究員らが「アルツハイマー病を治療する新しいワクチン開発に成功した」と発表しました。アルツハイマー病は、脳にベーターアミロイドというタンパク質がたまり、大脳皮質などに老人斑を形成、これが病気を引き起こす原因とされています。そこで、このベーターアミロイドを作るDNAを人体には無害のウィルスに組み込んでワクチンを作り、これを患者が飲むと、腸の細胞でベーターアミロイドが産生される。ここで免疫反応が引き起こされて、体内でベーターアミロイドを攻撃する抗体が作られるようになると言うのです。マウスを用いた動物実験で、このワクチン投与したところ老人斑が現れず、発病が予防できたとしています。

今回のワクチンは、小腸から吸収される飲み薬タイプに改良したので、以前に注射するタイプのワクチンで起こったような副作用が抑えられたとも言います。サルを使った実験で同様の効果が認められれば、臨床試験を目指したい。これにより半年に1回飲むだけで痴呆発症を予防できる新薬開発も夢でなくなったと話しています。

抗酸化ビタミン、抗酸化物を摂取すると痴呆を予防できる。

体内で発生する有害な活性酸素(フリーラジカル)が老化や痴呆と関係していることが分かりました。日常生活を営むに際して、体内で発生した活性酸素は、体内に侵入した細菌を殺菌したりする良い役割も果たしているのですが、これが増えすぎた場合、そのままほうっておくと正常な細胞を傷つけたりすることになります。しかし通常、体内では、それを除去する酵素が働いていて、その害を防いでいるのです。

ビタミンEはアルツハイマー病の進行をある程度抑制する。脳内のビタミンE、ビタミンCは脳が酸化(老化)するのを防いでいる。

その除去酵素を含めて、活性酸素の害を防ぐ物質をスカベンジャーと言い、その作用を抗酸化作用と言います。つまり抗酸化作用とは活性酸素の害を防ぐ作用なのです。ところが体内で活性酸素の量が増えたり、あるいはスカベンジャーの量が減ったりするような事態を生じると、発生した活性酸素を除去しきれなくなって、その結果、活性酸素の害を受けることになってしまいます。年をとると、どうしてもスカベンジャーが減ってくるので、活性酸素の害によって細胞がダメージを受けることになり、そのせいで成人病になったり、あるいは老化が早まったりすると言われます。 ところで脳は体内で、最も多くの酸素を消費している組織であって、それだけ他の臓器にくらべて多くの活性酸素が発生しているところなのです。ところが年齢とともにスカベンジャーの量が減ってきたりすると、脳の細胞は増えた活性酸素によりどんどん酸化され、働きが悪くなってしまいます。このことが脳の老化や、アルツハイマー病と関係があると考えられています。

アメリカでアルツハイマー病の患者さんを2つのグループに分け、ビタミンEを投与した群と投与していない群に分け調査したところ、投与した群では症状の進行が抑えられ、投与していない群では症状が進行したという結果が出ました。これはビタミンEが持つ抗酸化作用によると考えられているのです。

そこでアルツハイマー病の予防には、スカベンジャーを含む食品を積極的にとることが大切であると言えます。それにはビタミンEのほかに、ビタミンCカロチノイド(カロチン、リコピン)、あるいはフラボノイド(カテキン)などをあげることが出来ます。

ところでビタミンEを多く含む食品にはアーモンド、ヒマワリ油、アボガド、ウナギ、ピーナッツ、小麦胚芽、コーン油、シシャモ、サンマ、サバなどをあげることが出来ます。

ボケ予防には赤ワイン、緑茶が一番

脳内のビタミンCビタミンEは脳が酸化(老化)するのを防いでいます。これらの抗酸化ビタミンが分解されるのを長もちさせるのが、赤ワインの中のアンソシアニン、緑茶に含まれるカテキンなのです。最近の調査によると、健康なお年寄りは日本茶(緑茶)を1日5杯以上飲んでいることが分かりました。また別の調査によると、アルツハイマー病の患者さんたちは日本茶をほとんど飲んでいないのに対し、健康なお年寄りは好んで飲んでいるとの報告もあるのです。日本茶に含まれるフラボノイド(カテキン)には、抗酸化作用があり、この作用が関係しているものと考えられています。

赤ワインに含まれるポリフエノールがアルツハイマー病に有効。

フランスでの疫学調査の結果、定期的に赤ワインを飲んでいる人はアルツハイマー病の危険性が減ると言うことが分かりました。また金沢大、山田教授らが、赤ワインに含まれるポリフエノールがアルツハイマー病の原因とされるタンパク質、βアミロイドを分解することを実験で確認したと報告しています。そして、アルツハイマー病の予防治療に応用できる可能性があると話しています。ただし、飲みすぎては逆効果になります。

イチョウ葉エキスはボケ予防に有効

イチョウの葉にはフラボン、カテキンなど20種類以上の成分が含まれています。なかでもイチョウに特有のギンコライドが活性酸素の発生を抑え、脳虚血を防ぎ、神経細胞の死滅を防ぐ作用があります。痴呆症状を改善する効果があるとの臨床成績が多数、ドイツで報告されていて、ドイツでは正式にボケ治療薬として承認されてもいるのです。

エストロゲン補充療法を受けている方ではアルツハイマー病にかかるものが少ない。

アルツハイマー病は、閉経後の女性に多いことから、女性ホルモン、特にエストロゲン減少との関与が示唆されています。実際、エストロゲン補充療法を受けている患者ではアルッハイマー病を発症しにくいと言う事実が分かっています。また、女性のアルツハイマー病患者にエストロゲンを投与したところ、症状が改善されたとの報告もあるのです。エストロゲンは閉経後女性の脳血流を増加させる作用があり、またアポリポ蛋白Eの血液中の濃度上昇を抑える作用があるからであろうと考えられています。

アセチルコリン分解酵素阻害薬

アリセプトは現在、唯一の認知症改善薬

アルツハイマー病では、記憶を担当する神経伝達物質であるアセチルコリンを分泌する神経系が選択的に先ず冒されます。つまり、アセチルコリンが減ってくるために、物忘れなどの症状が出てくるのであると考えられています。そこで、脳内で、このアセチルコリンを増やすような薬の開発が進められました。これが、アセチルコリン分解酵素阻害薬なのです。コリンエステラーゼ阻害薬は神経終末のシナプス間隙でアセチルコリンを分解する酵素の働きを抑えることにより、アセチルコリンの分解を遅らせ、アセチルコリンの機能を延長させる働きがあります。つまり、アセチルコリンを増やすことによって、記憶、学習機能を改善させる効果があるのです。このアリセプト((アリセプト、塩酸ドネパジル)は現在、唯一、健康保険で使える抗痴呆薬であり、痴呆の進行を遅らせる効果があります。しかし、3割バッターと言われるように、全員に効果がみられるわけではなく、また発病、早期に使用しないと効果がないことも多いのですが、一度、試みてみる価値が十分にある薬剤です。

鉄剤を服用すると痴呆が改善するらしい

貧血の治療に使われる鉄剤が痴呆症状の改善に有効であるとの報告があります。鉄剤の投与後の脳血流検査で、側頭葉の血流が増加していたらしい。これは脳神経細胞内のミトコンドリアが活性化されることによると考えられています。

認知症の予防には魚が一番。魚の脂には、動脈硬化を防いだり、脳を活性化したりする作用がある。

南フランスで1600人の高齢者を対象に7年間の追跡調査を行ったところ、最低、1週間に1回は魚介類を食べていた者は、他の高齢者にくらべ、アルツハイマー病になる危険性が約30%も低いということが分かりました。また、最近の調査によると、ボケの患者さんは、魚と緑黄色野菜が嫌いで、肉好きが多い傾向があること分かりました(自治医科大学神経内科の調査)。つまりアルツハイマー病の患者さんでは、魚の摂取量が少なく、肉類の摂取が多いのです。すなわちボケないためには、食事の中のうち肉を少なくし、魚と野菜を増やすと良いものと考えられます。魚の脂には、脳を活性化する作用があるのですが、一方、肉の脂をたくさんとると、脳の血流が悪くなり、神経細胞の細胞膜などにも障害が起こりやすくなるものと考えられます。

結局、魚の脂に含まれるEPADHAには、コレステロールを減らして動脈硬化を予防したり、あるいは血圧を下げたりする働きがあることが知られています。さらにEPAには、血液をサラサラにし、血栓ができるのを防ぎ脳梗塞を予防する作用もあります。なおDHAを摂取すると頭がよくなることも分かっていて、痴呆の予防にも効果があると考えられているのです。EPA、DHAを豊富に含む魚は、いわゆる北の海に住む背の青い魚で、それにはイワシ、カツオ、サバ、サンマ、アジ、マグロ、サケ、ウナギなどをあげることが出来ます。

頑固でわがままな人はボケやすい

これまでに分かっているボケやすい7つの性格

  1. 自己中心的
  2. 頑固
  3. 社交的でない
  4. 短気
  5. わがまま
  6. 他人を受け入れない
  7. 几帳面

ボケやすいライフスタイル

人生に遊びがない人がボケやすい。また、社交性のあるなしがボケに大きく関係している

ボケないためには、普段から趣味を持ち、人間関係をひろげ社会に積極的に参加してゆくことが大切です。そして、新しいことを積極的に吸収し学習を続ける。あるいは、常に創造性を発揮することが重要なのです。

米国アルバート、アインシュタイン医科大学の調査では、痴呆予防に効果的であったのは、

  1. 週に数回、トランプやチエス(将棋、囲碁)などのゲームをする(0.26倍)。
  2. 楽器演奏をする(0.31倍)
  3. 小説や新聞を読む(0.65倍)身体的余暇活動についてはダンスに痴呆予防効果がみられた。
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